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揚げ物大好き?高齢者の食事と、油の関係って?

揚げ物大好き?高齢者の食事と、油の関係って?

あっさりとしたものが好きなイメージがある高齢者にも、揚げ物大好きで元気な方が多くいらっしゃいます。 健康維持のために、揚げ物は控えた方がよいとは思うけれど、好きなものを食べられないのもストレスになりそう・・・

気になる高齢者の体と油の多い食事との上手な付き合い方を知っておきましょう。

目次
脂質は年をとるほど必要の度合いが高まる 脂質を減らすと低栄養になりやすい? 低栄養はこれだけ怖い 脂質を取り入れるための適量は? 胃腸の負担なく脂を摂るために調理方法が役立つ!

脂質は年をとるほど必要の度合いが高まる

脂質は、たんぱく質や糖質より多くのエネルギーを出すことができ、少量でも、エネルギーをしっかり摂れるため、高齢者には効率よい、大切な栄養素です。

高齢になればなるほど、どうしても食物摂取量は減少していきます。
しかし、必要なエネルギー量はほとんど変わらないことから、食事のボリュームを抑えて高栄養な食事にするために、脂質がとても役立ちます。

脂質を減らすと低栄養になりやすい?

油ものに強い体質の方はよいのですが、ほとんどの高齢者は、加齢により胃腸が弱り、脂質の消化能力が衰えていくことが多く、胃もたれや、持病により、負担になることが多いもの。

気にして、脂質を減らし、それ以外の栄養素でカロリーを補おうとすると、食事量が増えて食べることが大変になり、栄養バランスが崩れて、反対に低栄養を引き起こしかねません。それぞれの持病や健康状態により異なる対応が必要ではありますが、体への負担を少なく油を食事に取り入れるための適量を知る必要があります。

低栄養はこれだけ怖い

「食事量が減ることで、健康維持に必要なビタミン、ミネラルなどの栄養素、体を動かすために必要なエネルギーやたんぱく質が不足した状態」を低栄養と言います。症状として体重の減少が第一にありますが、次のような、様々な症状につながる可能性もあるのが怖いところです。

  • 傷が治りにくくなったり、皮膚の炎症や床ずれを起こす
  • 骨量が減り、骨折が起こりやすくなる
  • 筋肉量や筋力が低下し、寝たきりや転倒しやすくなる
  • 免疫力や体力が落ち、風邪や肺炎になりやすくなる
  • 低血糖により意識障害・集中力や記憶力の低下や吐き気、めまいなどが起こる
  • 脱水症状を引き起こす

脂質を取り入れるための適量は?

70歳の1日推奨エネルギー必要量は「男性2200kcal」「女性1750kcal」とされています。その中で脂質由来のエネルギー摂取量は20~30%と言われおり、脂質由来のカロリーが25%とすると、男性なら550kcal、脂質1gが9kcalの為、脂質61g、女性なら、脂質48.6gになります。

実際の食生活では油脂類だけでなく、卵・乳製品、肉・魚・大豆製品などいろんな食材からも吸収する脂質があるので、しっかりこの食材をとれている場合は、それらの食材に含まれた脂質にプラスしてサラダ油などの油脂類大さじ1.5杯程度を、炒める、ドレッシングに混ぜるなどの調理過程で食事に加えることで、上記の合計量が摂取できる目安になります。

胃腸の負担なく脂を摂るために調理方法が役立つ!

食事の栄養素で、糖質(ご飯や麺類等)が一番消化が速く、次にたんぱく質(魚・肉・卵等)、脂質が最も消化に時間がかかります。脂肪の多い食品、更にしっかり火を通した揚げ物などは胃の中で長く滞留します。消化が遅いことが、胃の負担になる一番の原因であるため、脂を摂る場合は消化を如何によくするかが問題になります。そこで、以下のような工夫をしてみるとよいでしょう。

  • 揚げ物は衣を細かくして過剰な油を減らし、加熱しすぎでかたくなると消化も悪くなることから、食材のやわらかい部位を使い、揚げすぎないように注意しましょう。また、大きいものは消化が悪くなるので、ひと口サイズに小さく切り、更に下処理として細かい切れ目を沢山入れておくとよいでしょう。
  • キャベツなど添え野菜や副菜を添える場合は、できるだけ消化良くするために、電子レンジでもよいので生ではなく蒸しておきます。千切りだけでなく、ざく切りにする、歯茎でつぶせる程度にやわらかくゆでたにんじんやブロッコリーを添えるようにしましょう。甘酢の和え物なども、やわらかく煮たものを使います。

また、脂を含む食材を食事に盛りこむ工夫も大切です。
◆お浸しを練りごま和えにする
◆魚の塩焼きをごま油やバター炒めにする
◆コーヒーを牛乳に変える
◆おやつの饅頭をカステラに変える

簡単なところから食事に取り入れることで、高齢者でも食べやすく代謝されやすい高栄養食を楽しむことができるでしょう。


※当コラムは、ご利用者の健康状態や医療の必要性に言及したものではありません。また、当社は、情報自身について、その内容の真偽、適格性、正確性について保証や責任を負うものではありません。

日本料理教室講師 田村佳子

日本料理教室講師田村 佳子

栄養士/調理師/和憩カルチャースペース主催。

大学で海洋水産資源の研究後、大手小売業水産担当として勤務。 水産の流通を把握してから栄養士を所得。調理師専門学校の日本料理で勤務し、日本料理の技術と知識を習得した後、独立。 2008年和憩カルチャースペースを開設し、得意の魚メインにした日本料理教室を開講している。 朝日放送「おはよう朝日です」出演、市場や企業とのタイアップレッスン、行政施設などでの教室開講など活動中。

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