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胃腸が老化するとどんな影響が?食事で気をつけることは?

胃腸が老化するとどんな影響が?食事で気をつけることは?

老化によって体力などが衰えていきますが、それは胃腸の機能も同じ。胃腸が弱ることで色々な弊害が出てくるのですが、これを簡単に食事で対応できる方法を知りましょう。食事によって、胃腸にどんな負担がかかっているのか、食材や調理方法に分けて把握できれば、普段の調理のひと工夫で、気軽に体を気遣った食事を用意できるようになりますよ。

目次
加齢に伴う胃腸症状 腸内環境が大切!認知症にも影響が! 胃腸の負担を軽くする食材の選び方 腸内環境を整える食材の選び方 食事以外にも気をつけて

加齢に伴う胃腸症状

胃腸は、食物をエネルギーに変換する消化器官ですが、加齢に伴い、どうしても働きが弱くなってくるため、腸内環境の悪化、老化促進、疲労、むくみ、免疫力の低下など様々な影響を引き起こす他、以下の症状があります。

●膨満感

胃では、胃酸分泌が低下し、病原体への抵抗力が低下して、鉄やビタミン吸収能力も落ちてしまいます。そして、胃の弾力性も低下するため、一度に大量の食べ物を胃にためておくことができなくなり、胃の動きが弱まるため、小腸へ食べ物を運びにくく、たくさん食べていないように思っても、胃の中に食物がたまってしまい、胃が苦しくなるという症状がみられるようになります。

●消化不良や下痢

小腸は、加齢による影響を受けにくいのですが、やはり消化液を分泌する能力が低下し、脂っこいものがあまり食べられなくなったり、乳製品の消化吸収の能力が衰えます。

●便秘

大腸では、蠕動運動の低下や、肛門括約筋の収縮力の低下、腹圧の低下などが起こり、便秘になることが多くなります。

腸内環境が大切!認知症にも影響が!

「腸は第二の脳」といわれるように、胃腸の不調は自律神経やホルモンを介して脳にも影響を及ぼし、ストレスによりおなかが痛くなったり、腸の不調が脳にストレスを与えたりすることもあります。このような脳と腸の関係の中で、最近では認知症の人は腸内で「バクテロイデス」という菌が少ないというデータが発表され、腸内細菌と認知症の発症は関連することが、国立長寿医療研究センターの研究で明らかになっています。
(参考:国立長寿医療研究センター https://www.ncgg.go.jp/)

胃腸の負担を軽くする食材の選び方

胃にたまりにくく、消化しやすい食材は…

胃の中にとどまる時間が短いほど胃に負担をかけません。野菜や海藻に多い食物繊維、脂肪の多い揚げ物などはとり過ぎると胃腸に負担をかけます。必要なものですが、過剰にとらないように他の食材とかけ合わせたりして気をつけましょう。

胃にやさしい食材は…

たんぱく質がしっかりとれるおすすめ食材は、卵、ささ身、魚、レバー、豆腐、納豆、牛乳、ヨーグルト。控えめにしてほしいものは、たこ、えび、いか、あさりや、ベーコン・ウインナーなどの加工品、さつま揚げなどです。また、酢、柑橘類や香辛料、コーヒー、炭酸飲料も負担がかかることを知っておいてください。

腸内環境を整える食材の選び方

まずはしっかり食べ、水分をとることが重要ですが、その上で、発酵食品や食物繊維の多い野菜、果物、乳製品、豆類をとりましょう。おすすめは、ヨーグルト、納豆、少量のオリーブ油などの良質な油(腸の動きを活発にし、血行もよくします)、黒酢(含有する有機酸が腸を刺激して消化を促進)です。

調理の工夫は少しの気配りで

消化しやすくするには…

食物繊維が多いものは食材の繊維を断ち切るように切る、おろす、やわらかくなるまで火を通す、などで対応できます。できる限り栄養を逃さないためにも、キャベツなども、火を通す場合は、切ってからゆがくのではなく、ゆがいてから切るようにしてください。お肉もとろとろになるまで煮るか、反対に加熱しすぎないことが大切です。例えば、ささ身や鶏むね肉は火を通し過ぎるとかたくなります。しっとり仕上げれば消化もよいので和え物やサラダ、煮物やお汁にも使えます。

腸内環境を整えるには…

しょうゆ、みそ、かつお節、酒粕、麹など、味付けに発酵食品を毎食とり入れるようにするとよいでしょう。また、毎食、食物繊維を含む食材を1~2品取り入れてください。一度にたくさん生野菜などをとることは難しいので、火にかけてかさを減らしてとるようにしましょう。

食事以外にも気をつけて

老化した胃腸を労わるには、積極的に体を動かして、消化管の動きを良くすることや、よく噛み、消化しやすい状態で飲み込むことも大切です。咀嚼に問題がある場合はやわらかくしたり、細かく刻むことも効果的です。3回の食事が多くて食べづらい方は、4回に分けてもかまいません。食事を準備するときに、食材の選び方や調理方法に、少しの気配りをすることで、老化した胃腸の働きを少しでも労わることができるので、ぜひ取り入れてみてください。

※当コラムは、ご利用者の健康状態や医療の必要性に言及したものではありません。また、当社は、情報自身について、その内容の真偽、適格性、正確性について保証や責任を負うものではありません。

日本料理教室講師 田村佳子

日本料理教室講師田村 佳子

栄養士/調理師/和憩カルチャースペース主催。

大学で海洋水産資源の研究後、大手小売業水産担当として勤務。 水産の流通を把握してから栄養士を所得。調理師専門学校の日本料理で勤務し、日本料理の技術と知識を習得した後、独立。 2008年和憩カルチャースペースを開設し、得意の魚メインにした日本料理教室を開講している。 朝日放送「おはよう朝日です」出演、市場や企業とのタイアップレッスン、行政施設などでの教室開講など活動中。

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