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高齢者に不足しがちなミネラル!食事で気をつけたいポイントは?

高齢者に不足しがちなミネラル!食事で気をつけたいポイントは?

食事からとる必要があるミネラルは、とり方によって吸収が促進されたり、阻害されたりします。
高齢者に特に不足しがちなミネラル、カルシウム・鉄・亜鉛が豊富な食材を、どのように使って、料理へ組み合わせるか、ポイントを知りませんか?高齢者が食べやすい料理にしながら、ミネラルをしっかり吸収できる食事で健康維持を目指しましょう。

目次
高齢者が特にミネラルが必要なのはなぜ? 3種のミネラルが多く含まれる食品は? ミネラルの取り入れ方のポイントは? 高齢者も食べやすいミネラル補給メニュー 気軽にポイントを押さえて楽しく健康維持を!

高齢者が特にミネラルが必要なのはなぜ?

高齢者は食事量が減り、低栄養になりがち。なかでもミネラルは不足しがちな栄養素。体のなかで作られないので、食事やサプリメントなどで意識して摂取する必要があります。特に高齢者が不足しがちなミネラルは以下の3つ。

  • カルシウム
    不足すると骨粗鬆症の原因ともなり、骨折しやすく、寝たきりの危険性も。神経質になり、歯も弱くなります。

  • 不足すると鉄欠乏性の貧血になり、疲れやすく、冷え性、息切れ、動悸などが起こりやすくなります。高齢者は動きが緩慢で気づきにくく、重症化しやすいので注意が必要です。
  • 亜鉛
    細胞の生まれ変わりを促し、味覚障害を予防します。不足すると高齢者では、床ずれの回復が遅れたり、免疫力の低下、皮膚炎、下痢などにつながります。

3種のミネラルが多く含まれる食品は?

不足しがちな栄養素は効率よく摂取したいですよね。どのような食品に多く含まれているのでしょうか?

  • カルシウム
    牛乳や乳製品、桜えびやしらす干しなどの小魚、大豆製品、緑黄色野菜など 例えば牛乳コップ1杯(200ml)には、約220mgのカルシウムが含まれていて、これは栄養素等表示基準値 (※)(日本人の1日に必要な量の平均的な値)700mgのおよそ1/3にあたります。

  • 赤身肉、赤身の魚、海藻類、かきやあさりなどの貝類、レバー、ほうれん草やパセリなどの緑黄色野菜、枝豆などの豆類など 鉄の種類には、肉・魚・レバーなど動物性食品に含まれるヘム鉄と、野菜・海藻・大豆など植物性食品に含まれる非ヘム鉄があり、ヘム鉄の方が非ヘム鉄よりはるかに吸収がよいので、鉄を摂取したい人にはおすすめです。
  • 亜鉛
    かきやうなぎなどの魚介類、牛肉などの肉類、米などの穀類など

(※参考:『日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書』(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf )

ミネラルの取り入れ方のポイントは?

栄養素は食べ方によって、吸収阻害されたり促進されたりします。ポイントを押さえて効率よくミネラルをとり入れましょう。

  • カルシウム
    カルシウムはコツコツとる必要があり、吸収、骨への沈着を促すビタミンD、Kをいっしょにとるとよいでしょう。ビタミンDは魚類、きのこ類、ビタミンKは小松菜、ほうれん草、納豆などに多く含まれています。ビタミンDは紫外線に当たると活性化するので、適度な日光浴もよいでしょう。
    清涼飲料水や加工食品、スナック菓子などに多く含まれるリンはカルシウムの吸収を阻害するので過剰摂取に注意が必要です。

  • 促進するものは、肉・魚介類などの動物性たんぱく質やビタミンC、クエン酸です。更に、ビタミンCは、クエン酸の働きを強める効果があるやめ、梅干しやレモンのように両方が含まれるものを同時に摂取すると、鉄の吸収率を更に高めます。吸収率が時に6倍も劣る非ヘム鉄でも、食べ合わせによって吸収性を高めることが出来ます。
    カルシウムと同様に、過剰なリンの摂取が影響するだけでなく、緑茶やコーヒーなどに含まれる、タンニンも吸収を阻害するので、濃いものをご飯と一緒にとらず、少し時間をおいてからとりましょう。
  • 亜鉛
    促進するものは、鉄と同様に、動物性たんぱく質やビタミンC、クエン酸です。
    吸収を妨げるものは、清涼飲料水や加工品によるリン酸や、カフェインの過剰摂取です。

高齢者も食べやすいミネラル補給メニュー

ミネラル補給に適した食事を作るためには、ミネラルが豊富な食材をとるだけでなく、ソーセージやハム、練り物などの加工品、レトルト食品などを避けて、肉、魚などのたんぱく質と、ビタミンC、クエン酸・リンゴ酸などの果実酸を組み合わせることが大切になります。カルシウムを主に考える場合はきのこ類を組み合わせることも。また、高齢者が咀嚼しやすく、消化しやすいやわらか食に仕上げ、濃いお茶やコーヒーを避けておくとよいでしょう。

  • カルシウム
    牛乳を使ったシチューや、牛乳鍋、ミルク煮がお勧め。刻んだきのこ類、柔らかく炊いた緑黄色野菜を組み合わせましょう。たんぱく質源のお肉は肉団子など、ひき肉を使うか柔らかく炊いておく、又は鮭やタラ、カレイなどを使うと時短調理でやわらかく出来上がります。

  • レバーや赤身肉など、ヘム鉄の多い食材を使った料理が一番ですが、そればかりとるのは大変なので、緑黄色野菜などの非ヘム鉄の吸収を上げるために食べ合わせに気をつけるとよいでしょう。お料理に梅干しや、レモン、果物を添えるなど、献立に添えるだけでもビタミンC、クエン酸が補給され、鉄の吸収アップに効果的です。
  • 亜鉛
    特に豊富な牡蠣料理がお勧め。炒め物や煮物、蒸物どれでも柔らかく、高齢者も食べやすい食材です。簡単にホイル蒸しにしてレモンを添るだけなら、簡単にメインのお料理が出来上がります。お料理でとりにくい場合は、ココアにも含まれているので、おやつに取り入れてみてはいかがでしょうか。

気軽にポイントを押さえて楽しく健康維持を!

日々の食事のバランスがとれていれば、ミネラル不足になることは少ないのですが、高齢者は食事量の全体的な減少や、偏った食事によって不足することがあります。体内で存在量は少ないですが、健康維持や成長促進に必要なミネラル。一つの食材やこのレシピで!とこだわらず、食べ合わせや、食べ方に少し気を使いながら、たんぱく質を主菜にした自炊生活をメインにしてみて下さい。
長続きが出来るように、出来るだけ好きな食材を組み合わせ、少しの気遣いで、気軽に健康維持を目指しましょう。

※当コラムは、ご利用者の健康状態や医療の必要性に言及したものではありません。また、当社は、情報自身について、その内容の真偽、適格性、正確性について保証や責任を負うものではありません。

日本料理教室講師 田村佳子

日本料理教室講師田村 佳子

栄養士/調理師/和憩カルチャースペース主催。

大学で海洋水産資源の研究後、大手小売業水産担当として勤務。 水産の流通を把握してから栄養士を所得。調理師専門学校の日本料理で勤務し、日本料理の技術と知識を習得した後、独立。 2008年和憩カルチャースペースを開設し、得意の魚メインにした日本料理教室を開講している。 朝日放送「おはよう朝日です」出演、市場や企業とのタイアップレッスン、行政施設などでの教室開講など活動中。

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