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【医師監修】コロナ禍で免疫力を高める食事とは?高齢者が気をつけること

【医師監修】コロナ禍で免疫力を高める食事とは?高齢者が気をつけること

「コロナから身を守るため、基本的な感染対策の他に何が出来る?」「大切な家族を守るため、高齢者の食事はどんなことに気をつけたらいいの?」そんな風に考えている方も多いことでしょう。免疫力がとても大切なキーワードになっている昨今、この機会に自粛生活のなかで乱れた食事を見直しませんか?高齢者が免疫力を高められる食事とはどのようなものか、解説していきます。

目次
コロナ禍の食事の問題点 免疫力を高めるための食事とは? 高齢者の食事はたんぱく質がポイントという研究結果 たんぱく質の効果的な摂り方 まとめ

コロナ禍の食事の問題点

新型コロナウイルスの流行が始まって1年以上が経ち、その間に生活様式が大きく変化しました。
特に高齢者は重症化リスクが高く、感染の不安から外出の機会が大幅に減っています。

その結果、免疫力を高めたい時期にも関わらず、免疫力への影響が大きい「食事」に問題が出てきてしまう可能性があります。
まずはその問題点がどのようなものなのか、確認していきましょう。

コロナ禍における高齢者の食事の問題点の1つ目は、「買い物を控えてしまう」ということ。
買い物を控えるようになると、新鮮な食材やお惣菜などの購入機会が減ってしまいます。
そうなると、栄養バランスが偏り、野菜や、特に高齢者にとって重要なたんぱく質が不足しがちになってしまいます。

2つ目は、自宅以外で、友人や仲間とコミュニケーションを取りながら食事をする機会が減ってしまうことが挙げられます。
不安な状況が続く中、一人で食事をすると食欲が落ちてしまうという方も少なくありません。

そして3つ目は、運動不足で食欲が低下するという問題。 食事の量が減ってしまうと、フレイルや免疫力の低下に繋がります。
自宅で出来るトレーニングや、人混みを避けた場所での散歩を習慣付けるようにしましょう。

免疫力を高めるための食事とは?

以上、3つのような問題がコロナ禍で高齢者の方の食事に発生しやすいと言えるでしょう。このような食事の問題を放置してしまえば、今の時期にとても大切な免疫力を高めることができなくなります。

では、免疫力を高める食事とはどのようなものなのか、以下で解説していきます。

<免疫力を高める食事>

  • 朝ごはんをしっかり食べる
  • バランスのいい食事を摂る
  • 特にタンパク質は重要との研究結果がある

免疫力を高めるためには、栄養をしっかりと、バランスよく摂ることが重要です。
朝ごはんはしっかり食べていますか?1日3食しっかり食べましょう。
朝食を抜くことで午前中の気力や集中力の低下、動脈硬化性疾患の発症、暑い時期には熱中症などのリスクに繋がります。

食事の基本的なバランスは、主食(ご飯、パン、麺)が1皿、たんぱく質(肉、魚、大豆製品、卵)が1-2皿、副菜(野菜、きのこ、海藻類など)が1-2皿の3種がそろう食事です。
麺とごはんなど、主食が重なる食事や、うどん単品、など主食単独になる食事は糖質過多になり推奨されません。1種類の主食を適量摂取しましょう。

たんぱく質は、特に高齢者にとって重要な栄養素です。
たんぱく質の摂取量が少ないと、フレイル(体重減少、疲労感、活動度の減少、身体機能の減弱、筋力の低下)のリスクが高くなる事が多くの研究で報告されています。
高齢者のたんぱく質の必要性については近年重要視されているので、意識して摂取するようにして下さい。

野菜はビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。
調理が面倒で野菜抜きの食事となってしまわないよう、保存が出来る野菜料理を多めに作るなどの工夫をしましょう。

(参考:Nanri H, et al. J Am Med Dir Assoc 2018; 19: 801-5.他 / https://www.jamda.com/article/S1525-8610(18)30174-9/fulltext )

高齢者の食事はたんぱく質がポイントという研究結果

70歳代の高齢者を3年間観察した研究では、たんぱく質を最も多く摂取した人たち(平均91g/日、1.2g/kg体重/日)は、最も少なかった人たち(平均56g/日、0.8g/kg体重/日)と比較して、3年間の脂肪を除いた体重の減少が40%も抑制されていたと報告されています。

そして、ESPEN(欧州栄養代謝学会)のガイドラインでは、高齢者は筋肉量と機能を維持するために1.0-1.2g/kg体重/日のたんぱく質摂取を推奨しており、フレイルや併存疾患がある高齢者では1.2-1.5g/kg体重/日の摂取を推奨しています。
例えば、体重が60kgの方であれば、1日あたり72gのたんぱく質摂取を推奨している、ということになります。

このように、近年高齢者のたんぱく質摂取の重要性を証明する研究が数多く発表されており、コロナ禍においても良質なたんぱく質を十分量摂取することが推奨されています。なお、腎疾患がある方には過剰のたんぱく質摂取は推奨されないので、主治医や栄養士とよく相談して摂取するようにしてください。

しかし、1つの栄養成分よりも、食事パターンで考えることが大切です。
高齢糖尿病患者の研究では、野菜や海藻、魚が多い健康食事パターンと、油が多い食事パターンと、間食パターンの3つの食習慣で解析した結果、75歳以上に限って健康食事パターンが長寿であったと報告されています。
たんぱく質と、野菜や海藻類が十分含まれるレシピを利用し、質の悪い油や塩分は過剰にならないように注意しましょう。

(参考:Houston DK,et al. Am J Clin Nutr 2008; 87: 150-5. https://academic.oup.com/ajcn/article/87/1/150/4633334
Deutz NE,et al.:Clin Nutr 33:929-936,2014 https://www.clinicalnutritionjournal.com/article/S0261-5614(14)00111-3/fulltext
Iimuro S, et al:Geriatr Gerontol Int 12:59-67,2012 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1447-0594.2011.00813.x )

たんぱく質の効果的な摂り方

たんぱく質を多く摂取した方が良い理由は、たんぱく質に含まれるロイシンというアミノ酸が筋肉のたんぱく質の合成を増やすからです。
ロイシンは肉、魚介類の他、乳製品、大豆製品、卵にも多く含まれています。
1種類の食品からたんぱく質を摂ろうとせず、これらの製品を組み合わせて摂ることが大切です。

手軽なウィンナーやベーコンなどの加工肉は、摂取量が増えると死亡リスクや認知症のリスクが上昇するといわれているので避けるようにしましょう。
魚や肉を調理するのは手間がかかりますが、味付けして冷凍する、缶詰を用いたレシピを利用する、調理済みのメニューを購入・テイクアウトする、という方法があります。また、豆腐の食べきりのパックや、納豆、ヨーグルトなども手軽にたんぱく質が摂れるので、冷蔵庫に常備しておく事もいいでしょう。

まとめ

※当コラムは、ご利用者の健康状態や医療の必要性に言及したものではありません。また、当社は、情報自身について、その内容の真偽、適格性、正確性について保証や責任を負うものではありません。

牧野 みなみ

医師牧野 みなみ

2009年医師免許取得。糖尿病内分泌内科を専門とし、長年に渡り内科的診療を中心に生活習慣病管理、栄養指導に従事。その後大手企業の産業医として、幅広い世代の健康管理や特定保健指導などを行っている。多くの人に科学的根拠と臨床経験に基づいた正しい健康習慣を広めるために活動中。

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