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高齢者におすすめの体によいオイルとは?

高齢者におすすめの体によいオイルとは?

高齢になると食事量が落ちるため、必要な栄養素が補えず低栄養を起こすことがあります。 エネルギー量の高いオイルは摂取カロリーのアップになりとてもよいのです。しかしオイルなら何でもよいというわけではありません。 高齢者の健康維持のためのおすすめのオイルを紹介していきます。

目次
高齢者にとってよいオイルとは? 高齢者におすすめの質の良いオイルとは? 高齢者のオイルの取り入れ方

高齢者にとってよいオイルとは?

年齢を重ねると油っこいものを控えたり、さっぱりしたものを好まれる方も多いですね。 また健康のために油物は控えているという方も多いのではないでしょうか。 もちろんオイルのとり過ぎは肥満や生活習慣病につながる恐れもありますが、逆に控えすぎもよくありません。 質のよいオイルであれば適度に取った方がむしろ健康維持に役立ちます。
高齢者に問題となっている低栄養はたんぱく質やエネルギーが不足して起こります。 特に食事が細くなっていたり、刻み食やペースト食のため、必要な量が補えないという原因があります。

例えば、刻み食の中でも食べやすいメニューにネギトロがあります。 たたいたまぐろにオイルを加えることでまぐろの赤身が滑らかな口当たりになり、飲み込みもスムーズになります。 またオイルはコクや美味しさ、口当たりの滑らかさなどを感じさせてくれます。 オイルを加えることで食事量が増え、摂取カロリーがアップすることは低栄養の問題の解決にもつながるのです。

さらにオイルのよいところいはビタミンA、E、D、Kの脂溶性ビタミンと一緒に摂ることで、これらの吸収をアップさせます。 脂溶性ビタミンは人参やかぼちゃ、ほうれん草など色味のある野菜やきくらげ、舞茸などのきのこ類、納豆などの大豆製品に含まれています。
これらの食材を使った炒め物や和え物などにぜひオイルと組み合わせた料理を作ってみましょう。

<参考文献>
「咀嚼補助用ゲル状油脂の開発と 介護食の飲み込み特性改善に関する研究」2015年博士論文 佐野 淳也/ 監修:吉田企世子・松田早苗「正しい知識で健康を作る あたらしい栄養学」高橋書店 2021年5月20日発行

高齢者におすすめの質の良いオイルとは?

オイルの種類は大きく分けて飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の3つがあります。飽和脂肪酸はさらに短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の3つに分けられます。沢山のオイルの中から厳選して、高齢者にとって体によいおすすめのオイルをご紹介します。

【飽和脂肪酸】

飽和脂肪酸のうち、中鎖脂肪酸にあたる脂肪酸です。直接肝臓に運ばれそのままエネルギーとして使われます。
  • ココナッツオイル
    ココナッツの実から抽出した油脂。常温は固体で、25℃以上になると液体になります。 消化、吸収がされやすくエネルギーとして消費されやすい特性があり、認知症の対策にもよいとされています。 また、ココナッツの甘い香りと風味が特徴的です。
  • MCTオイル
    ココナッツやパームの種子に含まれる天然成分で中鎖脂肪酸だけを取り出したもので、素早くエネルギーに変わる特性をもちます。 味や香りがほとんどなく料理にも使いやすです。 気をつけたい点は他のオイルと比べて150℃くらいの低温で煙が出る、泡立ちはじめることがあります。 炒め物や揚げ物などの調理は高温になりやすいため、引火の恐れもあり加熱調理にはおすすめしません。
  • 料理のポイント
    ココナッツオイルは甘い香りなどが特徴的なので、焼きりんごや焼きバナナなどフルーツを加熱したり、菓子類におすすめです。 MCTオイルはドレッシングやスープや味噌汁の仕上げに加える、肉や魚にかける等の食べ方がよいでしょう。

【一価不飽和脂肪酸】

オメガ9といわれるオイル。 悪玉コレステロールを上昇させず、善玉コレステロールを減らさないオイルで、過酸化脂質(酸化したオイル)を作らないともされています。 加熱にも非加熱にも使用可能なため、家庭での料理に重宝します。
  • オリーブオイル
    オリーブの実を搾ってろ過して作られたオイルで、オリーブのポリフェノールを含み悪玉コレステロールの酸化を抑えるとされています。 味や風味が豊かで、上質のエクストラバージンオリーブオイルは味や香り共に独特なクセがあります。
  • こめ油
    米ぬかから作られたオイルで、無味無臭でクセのない味と香りが特徴です。
  • 菜種油
    菜種から作られたオイルで、クセがなく色々な料理に使えます。
  • 食料理のポイント
    加熱料理にも便利に使えるオイルです。 フライや唐揚げなどの料理に質のよいオイルを使い、また、炒め物よりも多めのオイルで揚げ焼きにすると体にとてもよいです。

【多価不飽和脂肪酸】

オメガ3といわれるオイル。中性脂肪や悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールの減少を防ぎます。 必須脂肪酸(体内で合成できない脂肪酸)のため食品から摂る必要があります。 オメガ3が豊富に含まれているα-リノレン酸は体内でEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に変わり、 血液循環や脳の活性化にも役立ちます。しかし、酸化しやすいため加熱料理に適していません。
  • えごまオイル
    えごまの種子から作られたオイル。中性脂肪を減らすα-リノレン酸が食用油の中で特に豊富に含みます。
  • アマニオイル
    亜麻の種子から作られるオイルで、独特の風味があります。
  • 保存方法
    熱、光、酸素に弱いため、開封前は冷暗所で保管し、開封後は冷蔵庫で保存。酸化が早いため1ヶ月前後使い切るようにしましょう。
  • 食料理のポイント
    ドレッシングにするのはもちろん、いつもオイルを使わない料理に使うことで摂取カロリーのアップになります。 醤油と合わせて和風の和え物に使ったり、納豆に混ぜればコクがプラスされて食欲も増します。 質のよいオイルを加えることは体の機能を高めてくれます。

<参考文献>
監修 守口徹「眠れなくなるほど面白い図解脂質の話」 日本文芸社 2020年9月1日第1刷発行 /
公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット 「第3回ココナッツオイルとカカオで認知症の予防・改善」https://www.tyojyu.or.jp/net/essay/100-tyojyu/coconutoilandcacao-ninchishoyobo.html /
日清オイリオHP お客様相談窓口「オリーブポリフェノールについて」https://www.nisshin-oillio.com/customer/faq_detail.html?id=4000172&category=859 /
福島県栄養士会 栄養の豆知識「油について」https://www.fukushima-eiyoushikai.or.jp/files/libs/410/202011191154599300.pdf /
日清オイリオHP 「そもそも「MCT」ってなに?」https://www.nisshin-mct.com/contents/page195.html /
日清オイリオHP「MCTオイルに関するQ&A」https://qr.paps.jp/sukJ

高齢者のオイルの取り入れ方

質のよいオイルを使うことで体への負担をかけずに、摂取カロリーの増加につながります。刻み食やペースト食は細かくしたり水で伸ばして作るため、摂取カロリーも常食と比べると低くなりがちです。そんな時にも質のよいオイルを活用することで摂取カロリーを増やすことができます。
主食のごはんや焼き魚や和え物、スープなどのおかずなどに少量たらし入れるだけで食欲増進にもつながります。
しっかり食べて健康維持をしていただくためにも、質のよいオイルを取り入れた食事が有効です。

※当コラムは、ご利用者の健康状態や医療の必要性に言及したものではありません。また、当社は、情報自身について、その内容の真偽、適格性、正確性について保証や責任を負うものではありません。

金子あきこ

管理栄養士金子 あきこ

給食コンサルタント/節約美容料理®研究家
東京家政大学短期大学部栄養科卒業

10年以上給食委託会社にて特別養護老人ホームやデイサービス、幼稚園などにて調理や献立作成を行う。赤字を黒字転換する献立作成を得意とする。2015年に独立し給食施設のコンサル業務・レシピ開発・コラム執筆・セミナー講師・メディア出演など活躍中。著書『おなかぺったんこ腸筋レシピ』リピックブック など。

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