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キレイに見えても、実はキッチンまわりは雑菌だらけ…調理環境から食中毒を防ぐには?

キレイに見えても、実はキッチンまわりは雑菌だらけ…調理環境から食中毒を防ぐには?

「食中毒」と聞くと、飲食店や施設のイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか?しかし、食中毒発生数の全体の20%近くが、家庭が原因です。高齢者の場合はどんなに元気な方でも、若い方と比べると免疫機能や抵抗力などが落ちています。家庭から食中毒を出さないためには、どのような点に気をつければよいのかをお話します。

目次
食中毒の基本的な対策とは? 菌をひろげない!リスクを減らして食中毒予防 新しいものにも菌はついている? 高齢者は食中毒のリスクが高い

食中毒の基本的な対策とは?

食中毒は高齢者施設や飲食店などで起こりやすいですが、家庭でも発生しています。食中毒の発生件数は保健所に届け出があったものだけがカウントされています。
家庭で食中毒が起きたとしても、症状が軽かったり、風邪と思われ食中毒と気づかれない場合など、保健所への届け出が漏れているものもあるため、実際の数は、より多いことが予想されています。

食中毒の原因はノロウイルスなどによるウイルス性食中毒、腸管出血性大腸菌やカンピロバクターなどによる細菌性食中毒、洗剤や漂白剤などの化学性食中毒などがあります。
細菌による食中毒の予防手段は、細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」を基本として防ぎます。具体的には調理の前はしっかり手を洗い、調理器具は清潔なものを使用する、購入してきた食材は冷蔵庫など低温で保管する、肉や魚介類などはしっかり中まで火を通し菌を殺す、などです。

ウイルスの場合も菌と同様ですが、「増やさない」は当てはまりません。ウイルスは、手指や食品などを介して経口で感染して、人の腸管で増えるからです。なので、料理を作る人の手指や、外から持ち込んだものを介して、キッチンや調理器具につけない・ひろげないということが重要になります。つまり、ウイルスはキッチンに「持ち込まない」「ひろげない」「つけない」「やっつける」の4つの予防手段が大切になります。

<参考文献>
『食中毒予防の原則と6つのポイント』政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/featured/201106_02/index.html>
『食中毒予防のつのポイント』公益社団法人日本食品衛生協会>
http://www.n-shokuei.jp/eisei/sfs_6point.html

菌をひろげない!リスクを減らして食中毒予防

キッチンは最低でも使用前・使用後は清潔な布巾で拭き、アルコールを噴霧するといいでしょう。さらに食中毒の予防の観点から見ると、料理中にも調理台を拭いたりアルコールを噴霧することが大切です。家庭の場合、キッチンのスペースが限られているため、野菜を切る・生の肉や魚の下処理・盛り付けなどを、すべて同じ調理台で行うことが多いですよね。料理の工程が変わるタイミングで布巾で拭いたり、アルコール噴霧すればさらに清潔を保つことができます。

衛生の基本となる手洗いは、調理前に1度洗えば安心ではありません。購入してきた物すべてに菌がついているため、調理中に野菜のパッケージなどを開けた手には菌が移り、その手でお皿を触ってしまったら、さらに菌が移ります。肉や魚などを触ればベタベタ、ヌルヌルするため、すぐに手を洗いますが、野菜のパッケージを開けたくらいではなかなか手を洗いませんよね。調理作業が切り替わるタイミングで手洗いするといいでしょう。

キッチンやダイニングテーブルなどを拭く布巾が汚れていたら、菌をばらまいているのと同じことです。布巾もこまめに洗剤で洗い、1日の終わりには煮沸消毒や塩素系漂白剤で消毒をしましょう。
また、調理中の洗剤や塩素系漂白剤の使用は食品に混入する危険があり注意が必要です。食品がまわりにある場合は蓋やラップをかけてから使います。使用の際は商品の規定通りの方法で十分に洗い流しましょう。

調理台が汚れたら、汚れを広げないためにもすぐに清潔な布巾でふき取るようにしましょう。特に気をつけたいのが、調理台に肉や魚のドリップが付着することです。このドリップには沢山の菌が潜んでいます。他の食品に触れたり、生食する食品に付いてしまうことで食中毒が起こる危険性があります。しかし調理台などは水洗いができないため困りますよね。調理台の上にドリップが付着したらすぐキッチンペーパーでふき取り、洗剤のついたスポンジでこすり、水で濡らしたキッチンペーパーで数回拭き取ります。最後に乾燥したキッチンペーパーで拭き取った後、アルコールを噴霧します。ドリップが付着したらすぐに処理することがキッチンを清潔に保ち、食中毒を防ぐポイントです。
さらに気をつけるポイントは、スポンジも肉や魚用の汚染用と食器などを洗う非汚染用に分けておくことです。菌を非汚染のものに付けてしまう心配がなくなります。そして肉や魚を切った包丁やまな板を洗剤で洗った後は、煮沸(80℃5分以上)や塩素系漂白剤に浸けて殺菌しましょう。

<参考文献>
『大量調理施設衛生管理マニュアル』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000168026.pdf

新しいものにも菌はついている?

スーパーやコンビニなどで購入してきた新しい商品は、新しいからといって、清潔というわけではありません。陳列する際、レジ打ちする際など色々な人の手を介して商品は家庭にやってきます。キッチンや冷蔵庫に菌が沢山付いた不衛生なものを持ち込まないために、購入した商品にアルコールを噴霧することが有効です。肉や魚介類などはポリ袋やバットに入れて冷蔵庫の下段で保管するようにしましょう。ドリップ(肉汁)が下に垂れて他の食品が汚染されることを防ぎます。

購入してきた商品の中で特に気をつけたいのが、そのまま口をつけて飲む缶に入ったドリンクや食事中に手に取り使用することが多いふりかけや佃煮などです。菌を移し合わないように容器にアルコール消毒を行っておくと安心ですね。
また胡瓜やトマトなどパッケージに入っておらずそのまま売られているものは、手に取り選ぶ方も多いはずです。できるだけパッケージに入っているものを選ぶといいでしょう。

高齢者は食中毒のリスクが高い

清潔なキッチンで料理を作り、すぐに冷蔵庫で保管していても時間が経つと菌は増えます。調理してから時間が経過しすぎた食品は高齢者に与えるのは控えるようにしましょう。抵抗力の弱い高齢者は食中毒を起こすリスクが高いからです。また重症化しやすく命の危険も伴います。ですから体調のすぐれないときは生卵や生魚など加熱しない食品なども控えた方がいいですね。高齢者が食中毒の危険から守られる食事作りを家庭でも行ってきましょう。

※当コラムは、ご利用者の健康状態や医療の必要性に言及したものではありません。また、当社は、情報自身について、その内容の真偽、適格性、正確性について保証や責任を負うものではありません。

金子あきこ

管理栄養士金子 あきこ

給食コンサルタント/節約美容料理®研究家
東京家政大学短期大学部栄養科卒業

10年以上給食委託会社にて特別養護老人ホームやデイサービス、幼稚園などにて調理や献立作成を行う。赤字を黒字転換する献立作成を得意とする。2015年に独立し給食施設のコンサル業務・レシピ開発・コラム執筆・セミナー講師・メディア出演など活躍中。著書『おなかぺったんこ腸筋レシピ』リピックブック など。

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