「○○時までに食べないと太る」は間違い?

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「夜18時以降は食事しない」「朝食は○○を食べる」など、巷では色々なダイエット方法がありますが、仕事内容や働き方、性格や暮らし方によって、一日の生活スタイルは人それぞれです。

大切なのは、自分の生活リズムに合わせて食事をとることです。そうすることで、体の中に栄養素を効率よく吸収することができます。

朝食は起きてから2時間以内に

朝食をとらずに仕事や学校へ行くと、なんとなく体がだるかったり、 作業に集中できない経験がありませんか?これは、脳のエネルギーになるブドウ糖が不足しているために起こります。

私たちが眠っている間も脳はブドウ糖を消費しており、 朝起きた時には既にエネルギーが不足した状態。更に朝食を抜くと、 脳がエネルギー不足のまま過ごすことになり、仕事や作業のパフォーマンスも下がってしまいます。 脳にしっかりエネルギーを与え、集中力・やる気をアップさせるために、 起床してから2時間以内に朝食をとるようにしましょう。

ご飯やパンなどの糖質を中心に肉や魚、野菜、海藻類などをバランスよく食べるのが理想ですが、 朝時間がない方はパンやおにぎり、ドーナツ1つでも構いませんので、手軽に食べられるものからスタートしましょう。 慣れてきたら、おにぎりに一品プラスでみそ汁を飲むと、ご飯に不足している栄養素を補うことができます。

パンの場合は、菓子パンではなくおかずパンを選ぶようにすると、 野菜やタンパク質なども同時に摂れます。 また、朝に食欲のない方は起床後30分ほど朝の支度などをして体を起こしてから、 無理のない範囲で食べるようにするとよいでしょう。 朝食後すぐにデザートとして甘いものを食べることについては、特に大きな影響はありませんが、 時間をおいてから(昼食との間の時間くらいで)食べることについては、血糖値や空腹感が変化するので、 そのあと摂取する昼食の量が減る、などの影響はあるかと思われます。

キャベツたっぷり豆腐クリームのサンドイッチ

キャベツたっぷり豆腐クリームのサンドイッチ

一日に必要なたんぱく質を豆腐から、エネルギーの素となる炭水化物をパンからバランスよく摂取できます。

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夕食は睡眠の3時間前までに

夕食後、私たちの体内では栄養素を消化・吸収しようと胃や腸が活発に働きます。 睡眠時に体内で消化・吸収が活発に行われていると、脳や体を休めることができず、睡眠の質が落ちてしまいます。 最低でも睡眠の3時間前までには夕食をすませておいたほうが良いですが、 仕事や用事で夕食の時間がどうしても遅くなってしまうときは、夕食を抜くのではなく、 消化しやすいものを食べるようにしましょう。

ラーメンやステーキなどの脂質が多いものは消化に時間がかかり、 結果的に睡眠の質を下げてしまうので、うどんやご飯、脂質の少ない鶏肉、野菜などをバランスよく食べるようにしましょう。

おやつは食事と食事の間に

食事から食事までの間が6~7時間以上あいてしまうと、 起床時のように脳や体がエネルギー不足になるので、 食事と食事のちょうど間くらいの時間でおやつを食べて上手に空腹をコントロールしましょう。 とはいえ、食べすぎは禁物です。食事や栄養のバランスを考えながら、一日200キロカロリー以内を目安に食べるようにしましょう。

にんじんの豆腐ケーキ

にんじんの豆腐ケーキ

β-カロテンたっぷりのにんじんと、絹ごし豆腐、卵の水分だけで作る、手軽でヘルシーなカップケーキ。 豆腐が入るとパサつかず、もっちりした食感になります。 豆腐や卵のたんぱく質とにんじんのビタミンAで免疫力の強化にも効果的です。

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たとえば漁師さんやパン屋さんといった午前3:00などの早朝から働く方や、 夜勤など勤務時間が特殊な方も、基本的には、朝食は起きてから2時間以内に、 夕食は睡眠の3時間前までにとるというかたちに近しいのが望ましいでしょう。 仕事内容や暮らし方によって生活リズムはさまざまです。 自分のライフスタイルに合わせた食事で、効率的に栄養素を消化・吸収することが健康につながります。

兵庫栄養調理製菓専門学校 栄養士科松本 遥

管理栄養士

栄養士免許取得後、兵庫栄養調理製菓専門学校 栄養士科で働きながら管理栄養士免許を取得。 食品学実験・食品衛生学実験・生理学実験など学生実験の助手や、情報処理などの授業を担当。 日本栄養改善学会・日本家政学会・ACN(アジア栄養学会議)にて食生活や生活習慣に関する学会発表も行う。

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